中小企業向け|経営ビジョンを決める上での考え方

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経営ビジョン。それは経営において非常に大切なもの。21世紀以降は情報化社会だからこそ経営ビジョンがなければ、大量の情報の中で、羅針盤が働かず、判断材料を見失い、迷いながらの決断が重なり、大海に飲み込まれ、沈んでしまうかもしれない。正直、経営ビジョンは経営者が勝手に決めれば良いものであるし、ある意味、それを独断で決めることができるのも醍醐味でもあるけれど、もし経営ビジョンを決める前であれば、経営ビジョンを決める上での考え方の参考として、目を通していただければと思います。

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1. 経営と商売の違い

経営ビジョンを考える前に、経営と商売の違いを知る必要があります。

定義付けるとするならば、

・経営 = 商売できる環境(ヒト・モノ・カネ)を用意し、整え、育て、拡大していくこと

・商売 = 商品(モノやサービス)を用意し、販売(取引)すること

とします。

わかりやすく例えると、商売人が社員とするならば、できる限り多くの商売人とできる限り多くの取引先を増やしていくことが経営者、ということです。

取締役は自分だけ、という創業オーナーでもあれば自分だけが理解していれば済みますが、取締役が複数人いる場合は、取締役全員が経営という立場を同じレベルで理解・共有できていなければ、先々、困難が待ち受けていることになりますので、本当に気をつけてください。

その話はいずれ別の記事でお伝えできればと思います。

 

この違いに気づかずに経営ビジョンを考えたところで、目先に囚われたり、エゴ的になったりし、独りよがりのビジョンを押し付ける形になったり、ステークホルダーに共感されないようなビジョンとなってしまうでしょう。

経営という「立場」をしっかり理解し、自覚することが、経営ビジョンを考える上でとても大切です。

 

2. 経営ビジョンとは

そもそも経営ビジョンとは何でしょうか。

ビジョンを直訳すると、

Vision:視力、視覚、(学者・思想家などの)洞察力、先見の明、(政治家などの)未来像、ビジョン、(頭に描く)幻、幻想、夢、(宗教的な)幻影。                  

引用:weblio

となります。

もちろん、経営ビジョンは直訳の通りではありません。

経営ビジョンとは、企業の目的や使命、実現・提供すべき企業価値などの「将来のあるべき姿を明らかにしたもの」です。

社内で共有されるべき、会社としての価値観や行動指針の指標となるべきものでもあり、会社の全ての仕組みや規制などに影響を与えるべきものであり、会社の羅針盤そのもの、と言っても過言ではありません。

 

3. 経営ビジョンの必要性

ビジョナリーカンパニーと称される欧米諸国の「理念主導型企業」においては、経営ビジョンは経営理念が原点になっていおり、経営理念の原点は、経営者自身の哲学や世界観と定義されています。

日本でも10年前程度より、ビジョナリーカンパニーとしての企業推進を図る企業が増えてきていますが、そもそもビジョンの必要性とは何でしょうか。

それは、「企業継続」です。

 

企業の継続性に焦点を当てた時、長期的に考えれば考えるほど、経営者も社員も入れ替わっていきます。

企業と商品(モノ・サービス)は場合によりますが、それでも環境の変化に対応しなければならず、多くのことが変化しているはずです。

その中で企業が継続的に社会に存在するためには成長し続けることが必要ですが、それには理解・共感・共有されている経営理念という不変の哲学・世界観を原点とした、経営戦略・事業戦略の羅針盤となる、全てを集約する方向性たる経営ビジョンが必要不可欠なことが理解していただけると思います。

 

経営ビジョンがない場合、どうなるか想像してみましょう。

経営ビジョンという羅針盤がなければ、経営者が変わった場合、時代が変わった場合、社員が大勢変わった場合に、いくら原点たる経営理念が素晴らしくとも、もしくは非常に優れた経営戦略や事業戦略であったとしても、企業という面で活動しなければならない組織が方向性を見失い、いずれは「点という個々の活動の集まり」に過ぎなくなってしまいます。

三本の矢の話ではないけれど、三本集まるから折れなくなるのであり、三本あっても一本ずつでは折れてしまう。

それと同じことです。

 

もし仮に、会社の継続性を大切にする価値観がない場合には、経営ビジョンはそこまで重要視しなくても良いかもしれません。

それよりも、短期的にいくら儲かるのか、商売としての結果を大事にしなければならない場面では、そちらを優先することの方が大切だと思います。

しかし、もし仮に多くの優秀な人材や多くの取引先に恵まれ、もしくは恵まれたいと願っているならば、もう少し長期的に考える機会やきっかけも生まれるでしょうから、その時は経営ビジョンがいかに必要なものか、理解いただけることと思います。

 

4. 経営ビジョンを構成する要素

経営ビジョンを考える上で、具体的な要素を挙げてみたいと思います。

  • 経営理念
  • 想像力と創造力
  • 共感性

以上の3点です。

 

●経営理念

経営理念は前述の通り、経営者の哲学や世界観に基づくものです。

経営者は全ての経営責任を追う立場が通常であり、その役割を担う人物であるため、相当な覚悟と情熱を持って、経営者たる立場を選んだであろうと思います。

そのため、経営理念については経営者により様々です。

ただし、もし経営理念はどうやって決めれば良いのか、を相談された場合にアドバイスするならば、まずは頭で考えず、覚悟と情熱で考えてください、とアドバイスすると思います。

哲学は頭で学ぶものではなく、自分自化するために身につけるためのもの、です。

そして、その哲学から世界観が創造されていきます。

企業の存在価値は「利益追及」ですが、経営は損得ばかりでは難しいでしょう。

経営者は判断ではなく”決断”を迫られるものであり、決断自体、損得で決められることではないからです。

損得で決められるレベルであれば、それは判断で大体のことは済んでしまいます。

そのため、決断の根本となる哲学や世界観からなる経営理念は、経営ビジョンを構成する上での原点ともなる、重要な要素の1つなのです。

 

●想像力と創造力

経営ビジョンは会社の羅針盤そのものであり、企業たる組織のエネルギーは経営ビジョンで集約され、ただ1点の方向に進むべきものになります。

人の未来へのエネルギーは、想像力から生まれ、創造力で育まれ、実現されていきます。

企業も同様、従業員それぞれの創造力と創造力の集約されるべき方向性を示すための経営ビジョンであるため、現在の市場の動向やニーズを熟知した上で、先見性をもって、長期的且つ大胆な想像力と創造力で、未来のあるべき姿を明らかにし、経営ビジョンとする必要があります。

全従業員や市場が、何を想像し、何を欲しているのか、どのような世の中を望んでいるのか、それらを考え理解することも、想像力と創造力を発揮する上で、大切なことでしょう。

 

●共感性

経営ビジョンは理想ではなく、あくまで「目標」です。

そのため、実現できる/させることが重要であり、そのためには、共感性はなくてはならないものです。

機能する経営ビジョンでなくてはならず、機能しない経営ビジョンに意味はありません

共感性は、経営ビジョンが継続的な企業活動の果てに実現させるものである以上、絶対に必要な要素です。

ただし、誰にでも共感されることを考える必要性はありません。

必要としてくれる消費者や取引先、従業員、その他関係者などに共感されることが大切です。

 

5. まとめ

経営ビジョンを決める上での考え方は、いかがでしたでしょうか。

全体をまとめると、

  1. 経営ビジョンを考える前に経営たる立場を理解し、自覚する
  2. 経営ビジョンの本質を理解する
  3. 経営ビジョンの必要性を理解する
  4. 経営ビジョンを構成する要素を理解する

となります。

経営ビジョンはすぐに用意できるものではなく、それなりの熟考とその期間を要します。

ただ、長期的に考えた場合、必ず経営ビジョンは必要なものであり、経営ビジョンが示す先には莫大な(お金だけではない)資産・財産が眠っていることでしょう。

経営ビジョンはできる限りアウトプット化(可視化)し、誰にでも理解・共有できる形にするよう務め、自社で働く誰もが、その羅針盤を手に各々の役割を果たせるような機能性を有しているものにしていくことが大切です。

よく経営者で見受けるのは、しっかりした経営ビジョンを持ちながらも、経営者自身の頭の中にしかなく、常に「言葉」だけを伝達手段にしている経営者。

それは不変性に乏しく、方向性が乱れる可能性が高く、機能性としては低い羅針盤。

もし経営者ご自身がアウトプット(可視化)することが苦手な場合は、知人や友人、信頼できるボードメンバー、もしくはコンサルタントなどの第三者に依頼をしてでも、アウトプット化(可視化)することをおすすめします。

 

この情報が少しでもお役に立てたなら嬉しい限りです。
 
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